(明るさを表示する場合白熱電灯でのW数で表記します。蛍光灯やLEDなど省エネ電球の場合は表示W数相当のものを対象にしてください)
リビングに求められる明るさは人によって差があるものの、標準的な天井高であれば、1畳あたり30W~40W程度でよいと思います。
ソファに座って雑誌や新聞を広げて読むことがいちおうできる、といった明るさです。長時間読んだり、勉強したりするにはちょっとキツイと感じる方もあるかもしれませんが、そんなときには電気スタンドとか、補助の照明をご用意なさると良いでしょう。
ただし、次のような場合には上の計算式では不足する場合がありますから、ケースごとに注意しながらご検討ください。
1.天井がかなり高いとか、吹き抜けになっている場合には、照明器具から上への光が天井に反射して返ることができません。その分同じ照明器具を使っても結果的に暗くなるとお考えください。
2.壁に黒っぽい、あるいは光を吸収する色の壁紙を使っている場合、またはログハウスなど、壁素材が木の場合などは、やはり光の反射がかなり少ないので、一般的な白系統の壁紙を使う場合より暗めになります。
ご注意下さい。
リビングに限らず、直径の大きなものを天井近くに設置するのは良いけれど、それを数十センチ垂らして、となるとかなりの圧迫感を覚えます。
逆に、そんなに大きくないものでも天井から数十センチ離して設置すると、予想以上にボリューム感・存在感がアップするものです。
リビング照明の真下を人が行き来する場合でも、そんなバカでかいシャンデリアでなければ、床上190㎝-200㎝くらいにシャンデリア下端がくるようにすれば上手く行きます。
もしも真下にテーブルなどが配置されて人の頭の位置を気にしなくてもよいならば、あと5-10㎝下げても問題はありません。むしろ、そのシャンデリアを積極的に見せたいならばそのように意識し工夫すべきかと考えます。
天井面がフラットではなく、真ん中部分(主照明が設置される位置)を中心に周りの天井面よりも一段高くなっているものを「折り上げ天井」と呼びます。
たいていはそんなに段差は大きくないので、普通の天井と同様に設置してもらって結構ですが、中に深いもの(段差20cmとか)があります。
そんなときには、器具本体の主要部分はできれば周りの天井面より下になっているべき、と考えてください。
下から見ると当然すべて見えるのですが、水平方向からみて、例えば電球部分が上に入りこんでいたり、ガラスシェードがすっかり見えてない、というのはやはり見る人にもそのような印象を与えるため、好ましくありません。
リビングが吹き抜けになる場合、すっぽりとすべてが吹き抜けになる場合と、一部分が吹き抜けになる場合の2つがあります。
1.リビング全体がすっぽりと吹き向けになる場合
空間的にはかなり広くなる可能性が高く、例えばシャンデリアなどはどんな高さに吊るしても視界から外れることはなく、とても優雅なスペースになることでしょう。
ただこのケースでは、主照明と壁照明で全体の明かりをとることになります。補助のダウンライトなどは使えませんので、へたをすると少し暗い空間になってしまう恐れがあります。
しっかりと壁照明で明かりを確保するか、主照明をあまり上げすぎず、下に光が届くよう注意しながら進めてください。
2.リビングの一部のみが吹きぬけになる場合
一部といっても、それがどれくらいのものか、で対応は変わりますが、畳2枚~4枚分くらいであれば、この吹き抜け照明は単に装飾的なものと捉えて結構です。つまり、吹き抜け以外の部分に配置される照明でリビングすべての明るさをとることが可能だからです。
吹き抜け照明を引き立たせたければ、ダウンライトなど目立たない照明を多用するとよいでしょう。
逆に、注意点としては、あまり上に吊ってしまうと結局リビングの一部の場所からはこの照明が見えなくなる、ということです。
照明の一部分を(複数個のペンダントライトを下げる、といった場合にはそのうちの一つを)天井位置よりも下になるように設置して、リビングのどこからでも視線に捉えられやすくすることが必要です。
リビングの一部といっても、5畳や6畳分の吹き抜け、あるいはそれ以上、ということでしたら、上の1.2.それぞれをミックスした考え方で進めてください。
リビングにシャンデリアを使ったとき、壁の照明をそれに合わせるべきか、ということについてはいろんな考え方があります。
1.同じ種類のものを使う
一番理解しやすいのがこれです。
同じデザイン・モチーフですべてが統一されることになり、まったく違和感がない、という利点がありますが、一方ですこし「よそ行き」な感じがします。
応接室などでは文句無しでしょうが、普段ご家族がくつろぐ空間もこのような感じでよいのかどうかは、ご家族交えてのご検討・ご判断が必要でしょう。
2.ケンカをしない程度に、別のデザインのものを使う
この写真のリビングはガラスを使ったシャンデリアとキャンドルデザインのブラケットライトを使っています。
全く違和感はない、ということにお気づきかと思います。
かたや下向きの光、かたや上向きの光、という点が違ったり、ガラス越しの光と裸電球の光、という点も違いますが、同じ真鍮素材・真鍮色の灯具であること、それに加えてともに同じ「雰囲気」を持っていることで、いっしょに使っていただけるわけです。
こちらはクラシカルな雰囲気は十分感じさせつつも、決して堅苦しい印象は与えません。「スタイル」を崩しているからです。
このように少し工夫をすることで、ご家族団らんの場としてのリビングがより”暖かな”ものになります。
ブラケットライトを設置するときには、取り付けの高さを工務店さんに指示する必要があるかもしれません。
工務店さん、電気屋さんにとって、ブラケットライトはそんなに馴染みのあるものではありません。業界では一般的に床上180㎝あたりに電線を出して準備する、ということが多いと聞きますが、正直それはちょっと危険です。
ブラケットライトを扱い馴れている業者さんでしたらむしろお任せした方が良いかもしれませんが、そうでなければ、以下のように考えてください。
1.上向きのブラケットライトの上方にはスペースが欲しい。
キャンドルデザインのブラケットライトは通常上向きの光になりますが、この時には光が伸びる上方向の壁にある程度スペースが欲しいものです。
そのために若干低めに設置しても問題ないことが多いです。
2.ガラスを使った下向きのブラケットライトは少々天井に近づけても大丈夫。
こちらは光が下方向に伸びますから、若干上に設置したほうが良いと思います。