(明るさを表示する場合白熱電灯でのW数で表記します。蛍光灯やLEDなど省エネ電球の場合は表示W数相当のものを述べているとご理解ください)
ダイニングの照明の明るさを考えるとき、「テーブルの上の明るさ」と「ダイニングルームもしくはダイニングエリア全体の明るさ」の2つの視点で考えましょう。
まず、テーブルの上の食事をきちんと照らし、また食卓を囲んだ家族の顔を照らすには、100Wがひとつ、40Wが2つまたは3つ、60Wが2つなどというのがごく一般的です。
40Wの明るさのペンダントライトを3台下げて。
こうやってテーブル上の明るさを確保したあとに考えるべきなのは、テーブル以外のエリアの明るさです。
レストランのようにそれ以外の部分はそんなに明るくなくても良い、というお考えだったり、そんなに大きなスペースでない場合はそれ以外のダイニング照明を考える必要はありません。
でも、ある程度はエリア全体にも明るさがほしい、というのであれば、補助としてダウンライトなどがあっても良いでしょう。逆に隣のエリア、例えばリビングから十分な光が届いている場合などは、補助の必要はありません。
一方、テーブル中心の考え方ではなく、ダイニングスペース全体を照らす、という考え方もあります。その場合は、全体に灯りが届くような照明器具や設置の仕方を考えつつ、標準的な240㎝-250cmの天井であれば1畳あたり30-35W程度の明るさで計算してください。
ダイニングエリア全体を照らす、60W×3灯の天井灯。
この場合は、ダイニング照明の位置とテーブル中心位置がずれていても気にすることはありません。また、将来部屋のレイアウトを変えてテーブルの位置を動かしてもやはり問題はありません。
キャンドルタイプのシャンデリアはグンと下げてやると、より美しいシルエットに。
こんなとき、「ダイニング照明として、テーブルの中央にシャンデリアを吊り下げる」というアイデアはいかがでしょうか。
例えばリビングや応接室にシャンデリアを設置する場合、一般的には器具の下端が床上190㎝~200㎝になるようにします。そのとき天井高が標準的な240㎝だとすると、全長(天井~器具下端)が長くて50㎝前後のものを選ばなくてはなりません。
一方、ダイニングテーブルの上なら、シャンデリアの下端が床上170㎝前後まで下りても大丈夫です。なので、高さ240cmの天井だとしても全長70㎝までのシャンデリアを問題なく吊るすことが出来ます。
“ホットプレートで焼き肉”というのがやりづらくなりますが…
もちろん、クリスタルのシャンデリアなどを下げますと、どうしても掃除のことなどが気になります。もしかして、焼き肉はほかの場所で、というようなことが出てくるかもしれません(笑)。
ご新築の場合ならともかく、すでにお住まいの家だったり、マンションのお部屋などではそうそう簡単に天井高を変えることができません。ですから、この「ダイニング照明としてのシャンデリア」は結構有効です。家じゅうの照明が均一な高さの(というか、天井に張り付いた)照明ばかりになってしまうことが多いなか、一度お考えになってはいかがでしょうか。
電源から一度横に振ってから下げたシャンデリア。 吊り下げ位置にもコンコルディア照明のフックを使って、実におしゃれに。
天井に貼り付いた照明は「ダイニングルーム(エリア)のための照明」となり、ダイニングテーブルとの関係性は問われません。
ペンダントライト1台をダイニング照明として設置するときは、テーブルの真ん中に下りてくるのが望ましいです。2台以上の場合は、テーブルの長手方向で真ん中を通る線上(中心線上)に電源をご用意下さい。
長方形のテーブルの中心線上に、ペンダントライト3台が吊られました。
ペンダントライトを2台、3台吊り下げたいけど、現在電源が1か所しかないし、電気工事もしたくない。そんなときにはライティングレールを使うのも一つの方法です。
ライティングレールとはレール状の電源のことです。これがテーブルの中心線上に設置され、そこから複数の照明を下げることができるのです。(そしてそのレール上に沿って位置を動かすことが出来ます。)
ライティングレールには
① 電気工事士さんに設置してもらうタイプのもの と
② すでに天井についている引掛けシーリングを利用して、工事なしに設置できるタイプのものがあります。
いずれのタイプも、正直言ってそう格好の良いものではありません。ですが、好きなように器具の移動が出来るという大きな利点もあります。
お使いになるにあたっては、その仕組みを十分ご理解頂く必要があります。
次のページをお読み下さい。(ライティングレールのほかに、配線ダクトレール、ダクトレール、と呼ばれることもあります。)
電気工事士さんがつけたライティングレールに、2台のペンダントライト。
ここでは、テーブルの真ん中あるいは中心線を目指して吊るされるシャンデリア・ペンダントライトについてお話します。つまり、ダイニングの照明のなかでも、「吊るす」タイプの照明器具に関するお話です。
食事などでテーブルについたときには、実はほとんどこの照明は目に入りません。ですから、高さが気になることもありません。
では、なにが高さ決定のカギになるのでしょうか。
それは、テーブルと照明を一つの絵に見立てたときのバランスあるいは一体感です。
ダイニングの照明器具を実際誰が見るかというと、それはキッチンに立っている人、リビングにいる人なのです。
そのときに、ライトを含めたテーブルの姿が一つの絵であってほしいと考えています。
前の項目のなかで、照明が床上180㎝-190cm以上になると、テーブルとの位置関係が気にならなくなる、と申しました。つまり、この高さだと両者に一体感がなくなるからなのです。
家人の身長はこの場合あまり関係なく、誰が見てもほぼ同じような印象を受けます。
縮尺を忠実にしてそれをイラストにしてみましょう。
「左図のほうは一つの絵になっている(一体感がある)のに対して、右図のほうはちょっとボケた感じになる」という違いがお分かりいただけるでしょうか。
一部のインテリアの本などには、ダイニングテーブルの照明は「テーブルの天板から約60㎝離して設置すること」となっていたりします。たしかにそれですとさらに一体感は高まり、見たときも綺麗なバランスになりますが、成人男性の胸の高さ(床上約130㎝くらい?)にブラブラと下がっているのは、横を通る際などにとても気になるため、これはやりすぎかと考えます。
レストランであったり、独立した「ダイニングルーム」では良いのですが、一般的な家庭のダイニングでは止めたほうが良いでしょう。
器具の大きさや形状、お好み、またテーブルの高さなどによって、ある程度の上下はあって当然と考えますが、
器具の下端が、ペンダントライトの場合は床上150~170㎝くらいに、またシャンデリアの場合は、床上160~180㎝くらいが良いのではないでしょうか。
ペンダントライトの台数は、「テーブルのサイズ」と「ガラスシェードのサイズ」を勘案して決めて下さい。
たいていのダイニングテーブルの場合、1台か、2台または3台を下げることになるでしょう。1台当たり40Wまでの明るさであれば、直接光が目に入ってもそんなに不快感はありませんから、できるだけ40W優先で考えましょう。
明るさ確保の点から60W電球の方が望ましい、あるいは100Wが望ましいという場合は、心もち上の方に吊るすことを意識する、あるいは、あまりストレートに光が通らないガラス(すりガラスとか色付きガラス)のシェードを選ぶのが良いかもしれません。
コンコルディア照明のガラスシェードには、白熱電球の場合40Wまで、60Wまで、あるいは100Wまで、といった各々の制限がありますから注意が必要です。
LED電球を使う場合には、どのガラスシェードにどんなLED電球を入れても大丈夫です。(家庭用のLED電球には、消費電力として25Wを超えるものはありませんので。)
つぎにそれらの間隔についてですが、ベースになる考え方をイラストを使ってご説明します。
これはペンダントライトを2台設置する場合の例です。
左図はテーブル面をまず2等分し、そのそれぞれのスペースのできるだけ真ん中にライトが下がるようにします。つまり、テーブルを4等分してできた3つの点のうち、外側2つの点の上に吊るすことになります。
右図はテーブル面を3等分し、できた2つの点の上にペンダントライトを吊るしています。
いかがでしょうか、右図の場合は少し真ん中に寄ってしまった感がありますね。
決して左図のように定規で測ったようにしてくださいとは言いません。もう少し柔軟に考えてもらっても良いのですが、考え方としては、2個の場合、テーブル面をまず2つに分けたうえで、それぞれの真ん中にライトが下りてくる、というイメージを基本にして、あとは若干アレンジしてください。
だから、3台の場合は次のようになります。
(これも、両サイドのはもう少しだけ内側に入っても良いです。)
引っ掛けシーリングカバー、コード吊り用 ASJ05
コンコルディア照明ではダイニングテーブル上やキッチンカウンター上の引掛けシーリングとの接続部分を隠すために、天井カバーをご用意しています。
いくら美しいガラスが吊るされていても、天井がプラスチックむき出しではどうも、という感想を持たれる方は多いようです。そんなときは是非ご検討ください。(部品のコーナーにあります)
引っ掛けシーリングカバー、チェーン吊り用 ASJ07
こちらの写真はチェーン吊り用の天井カバーです。チェーン吊りの場合、この部品のことを「フランジ」と呼んだりします。
これを使いますと、下のガラスから天井までがきれいに目に入ります。
天井カバーの種類とその選択のしかたについてはこちらをご覧下さい ⇒ 「引掛けシーリングと直付け」
どちらを選ぶかは、はっきり申し上げて「好み」です。
チェーンの場合はちょっぴりですが豪華さが増します。色を強調したいとき、たとえばクロム(銀色)でまとめたい、などと希望されているのであればクロムのチェーンを使った方がまとまりが良いでしょう。
一方コードの場合は「すっきり感」優先、ということでしょうか。チェーン吊りの場合はどうしてもコードが絡まなければならない分だけ、すっきり感のほうは犠牲になります。2本ならともかく、3本あるいはそれ以上を比較的近い距離で吊るす場合などはコード吊りのほうが良いかもしれません。
それとは別に、こんなご理解も頂いていたほうがよいと思います。
人間の目は、まず目立つもの、興味を引くものに動いたあと、その周辺とか細部に動く習性があります。
たいていの人は美しいガラスが目に留まると思いますが、次にチェーンを伝って目線が天井に動き、そこにプラスチックの接続部分が丸見えになる、ということでしたら、チェーンよりコードのほうをお選びいただくのが良いと考えます。チェーンのほうが、コードよりも目立つため、目線がそれに沿って動きやすい、ということなのです。
同じガラスシェードを用いています。使う器具によって異なる印象になるのも魅力の一つです
一般的な話としては上記の通りですが、これはダイニングのペンダントライトやキッチンカウンター上のペンダントライトでも同じことが言えます。