(明るさを表示する場合白熱電灯でのW数で表記します。蛍光灯やLEDなど省エネ電球の場合は表示W数相当のものを対象にしてください)
洗面所の広さというと、一般的には2畳分くらいのスペース+洗面台、あるいは洗面台含めて約2畳、というのが一番多いパターンです。
この中に洗濯機置き場も含む、ということもよくあります。
そんな中、まずは天井に60Wの明るさのものをおいてベースの灯りとし、洗面台がユニット型であればそれで良いし、そうでなければ鏡の上とか両脇にブラケットライトを設置して、ということもよくやります。
ユニット型であればおそらく蛍光灯やLEDのきちんとした光が入っていて、そこでお化粧をしても大丈夫なようになっていますが、そうでない場合のことをここでは考えてみます。
一番最初に決めなければいけないのは、そこでお化粧をするかどうか、ということです。いままでの私どもの経験では、お化粧は別の場所、たとえばドレッサーなどで行われ、洗面所ではせいぜい男性の髭剃りくらい、というのが多いのではと思います。
であれば、鏡の上や脇に設置されるブラケットライトは、主照明で陰になりがちな顔を逆側から照らせば事足りるわけで、そうすると、25Wが一個、あるいは40Wが一個、もしくは25Wが2個、という光の量が適当です。
洗面所のような狭い空間では、人が頭で考える以上に光はぐるぐると部屋中を反射しながら回っていて、鏡に映った顔が暗くて見えない、ということはほとんどないのです。
上記に述べたのは一般的な広さの洗面所の場合ですから、それよりも広い場合などはどうぞご相談下さい。
洗面所の壁の照明できちんと明るい光をとりたい、というときには2台の場合40W×2で十分ですが、1台の時にはこれを60Wにするかどうかは思案が必要です。
60Wの光を至近距離で見るときには相当目にも負担がかかりますので、これを40Wにとめておくか、それともやはり2台にすることをお考えになるのもよいと思います。
なお、舞台俳優さんなどが使用する化粧台の照明は前方上から一つの光(光源)、ということはやりません。ほとんどは左右両方からの光か、例外があるとしても、横に広がった光(複数光源)が上から下りてくるか、のどちらかです。つまり、お化粧のしやすさから言っても、左右両脇というのが理に適っていると言えそうです。
鏡の上の照明は光の角度がこちら、即ち私たち前に立つ人に向かわなくてはならない、というお考えがあるかもしれません。
が、それは必ずしも正解とは言えません。
イラスト(A)は、角度的に光が人の顔に向かっているケースです。
光がこちらに向かっているということがとてもイメージしやすく、ですので自然にその姿を受け入れることができる、という「心地よさ」のようなものがあります。従ってこれももちろん正解のうちです。実際に光は十分に顔およびそれ以外にいきわたっています。ただ、もしも光源を見たときには電球が目に入ってきやすい角度、とも言えますね。(実際には人はこの光源を直視することはほとんどないので、あまり気にしなくても結構です。)
次に(B)を見てみましょう。
光の方向が下を向いていたとしても、実はこのイラストのような場合は顔もきちんと照らされているため、まったく支障がないということがお分かりいただけると思います。取り付け位置(高さ)、鏡の位置、ご家族の身長などを確認したうえでこのような照明をつけるなら、電球も直接見えないということもあるので、むしろ実際にはこちらの方が心地よい場合もあるのです。(まあ、結局は好き嫌いの話でもありますが。)
日本のお家の場合よく見かけるのが、この「収納」つきの鏡です。この場合、ブラケットライトをどう設置すればよいのか。
この収納の厚さ(壁からの出幅)は私どもの経験上、だいたい10㎝~15㎝程度ではないかと思います。そこでつい陥りやすいのが、ブラケットライトの電球の位置、あるいはガラスシェードの壁側の端はその10㎝~15㎝の内側ではおかしいのでは、と「うんと首の長いブラケットライト」をつけてしまうことです。
イラスト(C)がそれです。
ぐんと首が飛び出たブラケットライトを使わなくてはなりませんでした。正直、あまり格好の良いものではありません。この灯具を使うならば、もっと大きなガラスのほうがバランスが取れるでしょう。
つぎにイラスト(D)です。
ここで使っているブラケットライトはこのガラスシェードに合ったバランスをしているため、残念ながら収納の厚さ分前に出ている、というわけではありません。
でも、実は横からのイラストではそのように見えていても、あるいは机の上ではそう考えたとしても、実際鏡の前に立ってみるとそうでもないのです。たぶんガラス全体が収納の厚さ以下に収まってしまうとまずいでしょうが、そうでなければ、下の写真のようにごく自然に見えるのです。