リフォームの際の照明選びについてですが、まずリフォームと言ってもいろいろある点に注意です。照明に関して言うと、壁紙や天井を剥がさないリフォームは基本的に照明には影響がないので、ここでは、かなり大規模なリフォームを想定していると理解してください。
(簡単なリフォームすなわち、壁紙や天井を剥がさないケースでは、5項「既存の照明を新しいものに取り替えるときの注意点」にお進みください。)
新築と違って、リフォームの場合は打ち合わせが始まるとそれに引き続いてすぐに工事が始まるケースもあり、照明器具の選定に時間がかけられないことも多いです。さらに、希望の照明器具をつけたいと思っても全体の明るさが不足するのでつけられなかった、などということも起こります。
ですから、リフォームを思い立った時点で「照明」のことについても研究を開始し、打ち合わせのときには、希望の照明およびそれを設置したときに不足する光量を補うための照明器具(ダウンライトなど)について話し合って頂きたいものです。
このタイミングで特に照明に関するリクエストが施主側から出てこなければ、リフォーム会社は既存の部屋の既存の照明についてはそのまま生かす、というのが基本的な考え方です。たとえば、6畳の部屋を2つくっつけて12畳の広いリビングにする場合でも、もとの照明位置をそのまま引き継いで、12畳にメイン照明が2台つくことになります。それではなく12畳の真ん中に大きめのメイン照明をつけたい、またそれだけでは部屋の四隅が暗くなりそうという場合に備えて、ダウンライトを用意してもらえば、リフォームとは思えない仕上がりになります。
とても極端な例を申しますと、簡単な打ち合わせでリフォームを始め、終盤に近くなってから「〇〇日までに照明を用意してくれたら、既存の照明に替えてそちらを設置してあげますよ」と言われて、慌てて弊社に問合せをされるお客様がおられます。そのケースではいろいろと制限があって(準備にかかる日数とか在庫とか)、すこし妥協しなければならないこともあります。
ですから、もう一度言いますが、最初のリフォーム打ち合わせのタイミングで、しっかりと照明に関しても構想を伝える、あるいは、具体的な照明器具名をだして、これをつけたいと希望を伝える、というのがとても大切です。
マンションの照明選びが戸建ての照明の場合と異なるのは、天井照明が基本的に「引掛けシーリング」だということです。
リビングやダイニングといった、比較的大きな照明器具を設置する場所でも、引掛けシーリングが天井についています。ですから、次のいずれかの対応が必要です。
A.引掛けシーリング対応の照明器具を探してきて設置する。
引掛けシーリング用の照明はいくら重くても5㎏(*)ですから、選ぶときに選択肢が限られます。ただ、5㎏というと軽めに感じるかもしれませんが、実際にはけっこう大きなものも含まれます。コンコルディア照明の各商品の紹介の中で、「引掛けシーリングに変更可」と表記しているものは見た目が大きくても重量的に問題ありません。(コンコルディア照明では、自主規制的に5㎏ではなく「約4㎏までのものを引掛けシーリング対応可」としています。)
(*)リビングなどによく使われる「埋め込みローゼット型」の引掛けシーリングであれば両側にフックがついていますが、それにしっかりと重量が掛かるのであれば、10㎏まで吊り下げることができます。
B.天井の引掛けシーリングを外して天井構造に重量が掛かるべく電気屋さんに工事をしてもらう。
実際には、リビングやダイニングには、多くの場合「埋め込みローゼット型」引掛けシーリングがついています。下から見える円盤部分を外せば裏側に隠れていたボックスが現れますが、このボックスにきちんと照明器具をつなげば、10㎏までの照明を綺麗に吊ることができます。(コンコルディア照明ではこのボックスに接続できるベースをご用意していますので、ごく簡単な工事で済みます。)